「カイゼン・ジャーニー」を読んだ

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はじめに

カイゼン・ジャーニー たった 1 人からはじめて、「越境」するチームをつくるまでを読みました。1
いわゆるアジャイル開発実践のためのプラクティス本です。他の本と違い、内容が物語調で進みます。

入社 3 年目の主人公の江島がひとりでカイゼンを始め、そこからいろんな人を巻き込んでチームや組織をカイゼンしていくというお話です。

感想

エモくてセンチメンタル

アジャイル開発を知るための本としてもですが、読み物として単純におもしろいです。
読んでいる最中から自分も行動を起こしたくなるような、奮い立たされるエモーショナルな文章です。
また、作中に新卒の子が辞めてしまうシーンがあるのですが、ここがなんとまあ切なくてやるせないです。
技術書で、こういう感想を書くことはめったにないでしょうね。


行動を変え、新たな一歩を踏み出すのに「遅すぎる」ということはない。行動を始めるべきだと気づいたそのときが、その人にとっての最速のタイミングだ。

序盤、主人公の江島はひとりでカイゼンを始めます。その時に登場するこの一文がグッときました。
ちなみに、この本を読む前に「葉桜の季節に君を想うということ」を読んでいたこともあってより印象深くなりました。

実践したくなる

全 27 話で構成されていますが、どの話も自分の経験とリンクする部分が 1 つ以上ありました。
そのため、自分が実践したらどうなるだろうということがイメージしやすいです。行動を起こしたくなります。

補足

読み方のススメ

プロローグがエピローグになる

はじめにプロローグを読んだ時、あれ?これってうまくカイゼンできてるの?と感じました。
モヤモヤしながら読み進めていくことになるのですが、最後まで読み終えたあとにもう一度プロローグを読むと、最初とはまったく違う感想になりました。

この本はもう一度プロローグを読んでやっと読み切ったことになるのかなと思いました。
七里さん、戻ってきたのかな。

テーマ曲を決めよう

#kaizenj でツイッターを検索していると、こんなツイートを見つけました。

なるほど、確かにそうだ。実際、僕も自分の中のテーマ曲が頭に流れながら読んでいました。
物語調で展開されていくため画や映像、音楽がイメージしやすいんですよね。ふつうの小説を読んでいるような感覚で、技術書っぽくありませんね。


僕の、この本のテーマ曲はサカナクションの「グッドバイ」でした。

会社を変えよう、と決意した。ここは僕がいるべきところではない。

僕があの人たちに伝えるべき言葉はもうない。だから、ここにいる必要も、もうない。

この言葉から始まり、手探りな状態で前進していく江島の様が、僕はどうしてもグッドバイの歌詞と重なってしまいました。

一つだけ気になること

最初から最後までとてもおもしろかったのですが、あえて 1 つだけ気になる点がありました。

西方さんの関西弁です。
ストーリーパートで喋っている西方さんには違和感はないのですが、解説パートで違和感が顔を出します。

どうも、関西弁がおかしい。解説ということもあって説明口調で進んでいくのですが、そこでも西方さんは関西弁を忘れません。
ですが、そこが中途半端なのです。そこは関西弁なのになんでここは標準語なんだ?と引っかかってしまいました。
これは関西人の悲しい性でしょうね。下手な関西弁を聞かされるとどんなに面白いドラマも内容が入ってこなくなるのと同じです。

さいごに

まずは行動に起こすことが重要だと感じ、つい先日タスクボードの運用を始めました。この本に感化されました。

ここからいい方向へ転ぶか、悪い方向へ転ぶかはわかりません。
不確かな未来へ舵を切っていくのです。

Footnotes

  1. 毎月、本を 4 冊以上読むというノルマ、ギリギリ間に合いました 😅